子供の歯磨き粉はフッ素入りを使用するべきか
フッ素入り歯磨き粉は、子供の虫歯予防にとても効果的です。
子供の歯は大人の歯に比べて、虫歯になりやすいと言えます。乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすい点、生えたばかりの永久歯は未成熟で質が弱い点が、理由にあげられます。
乳歯や生えたばかりの永久歯は、虫歯になりやすいのですが、フッ素の虫歯予防効果を受けやすい状態でもあります。
フッ素入り歯磨き粉は、自宅で手軽に行う事ができる、フッ素を利用した虫歯予防の方法です。子供の歯磨きに、取り入れていきましょう。
フッ素の効果とは
1.歯の再石灰化を促進する
歯から溶け出した“カルシウム”や“リン”が再び歯に取り入れられる“再石灰化作用”を促進する働きがあります。
2.歯の質を強くし、酸に溶けにくくする
歯の表面の質を、酸に強い質に変化させます。
3.プラークの酸の産生を抑える
歯みがきで除去しきれなかったプラーク(歯垢)から産生される“酸”の量を抑えます。
フッ素入り歯磨き粉の使用方法
<使用方法の基本的な流れ>
- 歯磨き粉を歯ブラシに取り出す
- 毛先をつかって丁寧に歯みがきをする
- 歯みがき粉は吐き出さず、少量の水を含んでぶくぶくうがい
- 口の中の水を吐き出す
- 歯磨き後は、フッ素効果を半減させないために、すぐの飲食を控える(できれば2時間程度控えるのが望ましい
子供が小さいうちは、子供自身での歯磨きが終わってから、親が仕上げ磨きをする際に、少量使用するのが望ましいです。
フッ素入り歯磨き粉の選び方
“フッ素入り歯磨き粉”とうたっていても、含まれているフッ素の量は様々です。その歯磨き粉にフッ素がどのくらい含まれているか、歯磨き粉のパッケージに“フッ素濃度”が記載されているものを選び、年齢に応じたフッ素濃度の歯磨き粉を選びましょう。フッ素がしっかりと含まれていて、虫歯予防効果の高いものは900ppmといわれています。
目安としては、1・2歳児では500ppm以下のジェルやスプレータイプのものを、うがいがうまくできる3歳縲怩フ子供には500ppm縲鰀900ppmのもので選びましょう。うまくうがいが出来ないうちや、よく歯磨き粉を飲み込んでしまううちは、利用前に医師に相談するようにしましょう。
使用上の注意点
1.使用方法を守り、過剰摂取をしないこと
フッ素は一度に多くの量を摂取してしまうと、吐き気・嘔吐などの急性症状を起こす事があります。急性症状が出る目安の量は、体重1㎏あたり2mgです。通常、歯磨き粉を使用しているだけでは、全く問題の無い量ですので心配はありません。しかし、小さな子供が歯磨き粉の中身をまるまる食べてしまうとなると問題です。小さな子供の手が届かない所に置くなどの注意はするようにしましょう。
2.フッ素の効果を過信しすぎないようにしましょう
フッ素入り歯磨き粉には、確かに虫歯予防効果があります。子供の虫歯予防にとても有効なので、利用するのが良いでしょう。しかし、フッ素を利用したからといって、必ず虫歯にならないわけではありません。虫歯の発生には、“清掃習慣”“食事習慣”が大きく影響します。毎日の丁寧な歯磨き、規則正しい食習慣を心がけ、日頃から注意する事も大切です。