矯正歯科治療は原則、保険外の「自由診療」
矯正歯科治療は原則、保険外の「自由診療」の扱いとなっていて健康保険での診療は受けることができません。
そのため、矯正治療にかかる検査料や診断料、毎回の治療費などは全額患者様に自己負担していただく事になります。
しかし、国の定めた特定の疾患と症状に該当すれば「自立支援医療」の対象者となって月々の患者様の自己負担額の上限が定められた健康保険での治療を受けていただけるようになっております。
それでは、矯正歯科であればどこでも保険適応の矯正治療が受けられるかというとそうではありません。
患者様が保険適応の矯正治療を受ける基準を満たしていても、矯正治療を受ける医療機関が「自立支援指定医療機関」「育成・更正医療指定機関」「顎口腔機能診断施設」の3つの認定機関でなければ保険適応の矯正治療を受けることができないので注意が必要です。
当院はこの3つの条件を全て満たした医療機関ですので、保険適応の矯正治療を受けていただけます。
それでは、健康保険適応となる症例、健康保険診療を行える医療機関の条件、自己負担の問い合わせ先についてご説明します。
健康保険適応となる症例とは?
健康保険適応となる症例は、国の定める先天疾患と顎変形症の大きく2つに分けられます。
国の指定する先天疾患(2014年時点)
- 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
- 鰓弓(さいきゅう)異常症を含むゴールデンハー症候群
- 鎖骨・頭蓋骨異形成
- クルーゾン症候群
- トリチャーコリンズ症候群
- ピエールロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセルシルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ヴィードマン症候群
- 尖頭合指症
- ロンベルグ症候群
- 先天性ミオパチー
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァン・クレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダーウィリー症候群
- 顔面裂
- 大理石骨病
- 口−顔−指症候群
- カブキ症候群
- ウィリアムズ症候群
- スティックラー症候群
- 筋ジストロフィー
- 色素失調症
- メービウス症候群
- クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群
- ビンダー症候群
- 頭蓋骨癒合症
- 口笛顔貌症候群
- 常染色体欠失症候群
- 濃化異骨症
- 小舌症
- 骨形成不全症
- ルビンスタイン−ティビ症候群
- ラーセン症候群
- 6歯以上の非症候性部分性無歯症
噛み合わせ異常等
顎の骨の形や大きさが主な原因で噛み合わせに異常が起こっている場合、あるいは顎の形の変形により顔の左右の非対称性が強い場合などに顎変形症と診断される場合があります。顎変形症と診断された上で、顎骨離断など何らかの顎の骨を切る外科手術を伴う矯正治療を行う場合。
これらの症例に該当していると、保険適応の矯正治療を受けることができます。
顎口腔機能診断施設として認定される「医療機関の条件とは?
- 矯正歯科を診療科目として標榜していること
- 指定自立支援医療機関(育成・更正医療)であること
- 専門科目についての研究従事年数が5年以上であること
- 日本矯正歯科学会および日本口蓋裂学会に加入していること
- 下顎運動検査・歯科矯正セファログラム・咀嚼筋筋電図検査が行える検査機器を備えていること
- 専任の常勤歯科医師及び専従の常勤看護師または歯科衛生士がそれぞれ1名以上勤務していること
- 外科手術を担当する医療機関と矯正治療を担当する医療機関との連携が取れており、外科手術前後の治療の連携体制が整っていること
これらが認定条件となっています。
自立支援医療の負担額の問い合わせはどこにすればよいのでしょうか?
自立支援医療の症例として健康保険適応となった場合、患者様ご本人または患者様の「世帯」収入に応じて月額の自己負担額の上限が、自立支援医療の利用者負担額として算定されます。自己負担額の上限額や自立支援制度の詳細については、患者様のお住いの地方自治体の保健所がお問い合わせ窓口となっております。
当院はこれらの症例に関しての矯正治療のご相談も随時受け付けておりますので、どうぞお問い合わせください。