矯正歯科治療を受ける時にはどんな痛みが起こるのですか?
「矯正治療は痛い」と見聞きして治療に不安を感じておられる方がおられるかもしれません。
また、矯正治療に先立って、いかしかたなく抜歯を行う必要のある方は、抜歯に対する不安も持たれているかもしれません。
そこで今回は、抜歯と矯正治療中の痛みについて取り上げさせていただきます。
矯正治療の前の抜歯の痛みはどれくらいのものなのですか?
矯正治療では、患者様の歯並びを改善する上でやむを得ず抜歯を行って治療をする事があります。
抜歯には、大きく分けて
@すでにお口の中に出ている歯を抜歯する場合と、
Aまだ完全に出ていない、またはまったく出ていない歯(親知らず等)を抜歯する場合
があります。
@すでにお口の中に出ている歯を抜歯する場合
抜歯は麻酔をしてから行うので強い痛みを感じることはほとんどなく、歯を抜く時にミシミシとした歯を骨から外す感覚があります。
麻酔後の痛みの感じ方には個人差があります。
痛みがまったくでない方も多数いらっしゃいますし、また痛みが少しで手しまった方も抜歯後に処方される痛み止めのお薬でコントロールできることがほとんどです。
Aまだ完全に出ていない、またはまったく出ていない歯(親知らず等)の抜歯をする場合
たとえば、親知らずと一口に言っても、退化して小さい歯、他の大臼歯と見劣りしないほど立派な形の歯、歯冠や歯根が変形したり骨にしっかりと癒着(硬くくっついている)している歯、真横に生えて他の大臼歯を圧迫している歯など、状態に大変違いがあります。抜歯も、あっという間に抜けてしまう場合もあれば、時間のかかる難しい抜歯になる場合もあります。
親知らずの周囲の骨を一部削らないと抜歯できないケースでは、抜歯した歯の周囲や頬の粘膜まで腫れて口を開けづらくなったり、食事や歯磨きに数日間支障が出ることもあります。強い腫れや痛みは抜歯後3日間くらいをピークにして徐々に落ち着き、通常1週間位で治まります。
矯正装置を装着してからの痛みはどれくらいのものなのですか?
矯正装置の装着後や調整後の痛みは、ほとんど感じられない方から少し痛みを感じられる方まで様々おられます。
もし痛みを感じられる方でも、矯正装置装着後2,3日が多いと思われ、その後はあまり痛みを感じられる方は少なくなると思われます。
当院では、矯正治療を装置装着時より歯に優しい弱い力で治療に臨んでいますので、小中学生を中心にほとんど痛みの出ない方も多数いらっしゃいますし、かたやそれまで経験したことの無い力が歯や周辺組織に加わるため、歯が浮いた感じや締め付けられる感じが2〜3日間続く方もいらっしゃいます。
この感覚は、普段テレビを見たり勉学・仕事等の普段上下の歯を噛み合わせていない時にはあまり感じず、食事の時など食べ物が歯に当たったり、上下噛み合わせた時に感じることが多いようです。この感覚は、痛みを感じられる方でも、最初の装置装着後1週間程度で軽快し、その後は治療を通じて意識せずに過ごせる方がほとんどです。
また、たまに装置が頬の内側や舌に接触する部分に口内炎が出来てしまうことや、以前とは噛み合わせの位置が変わっていくことで頬の内側を噛みやすくなることがあります。装置の当たりが強く口内炎が出来る場合、装置に保護材をつけて痛みを和らげることが出来ますし、頬の内側を噛みやすい場合も、噛み合わせが良くなるにつれ解消しますので心配はございません。
矯正治療中に歯の移動に伴い、一時的に歯に知覚過敏の症状が出て、熱いものや冷たいものを口に入れた時にしみると感じる方もおられますが、これも次第に治まっていきますのでご安心ください。
矯正治療に伴う痛みについて当院での見解を記述いたしました。当院では「痛くない」快適な矯正治療を目指しておりますので、治療中にご不安に感じることはご遠慮なくお知らせください。