子供の虫歯治療について
親御さんでしたら誰でも、お子様に虫歯があるとわかれば心配なものです。
お子様が虫歯になってしまったら。
子供の虫歯の特徴と治療について説明していきます
子供の虫歯・特徴
- ・進行が速い
- 乳歯はエナメル質(歯の一番外側の層)が永久歯の約1/2と薄いため、虫歯になると永久歯に比べて進行が早くすぐに神経まで達してしまいます。
- ・痛みが出にくい
- 子供はまだ痛覚がしっかりと発達していないことがあり、虫歯が神経に近づいてきていてもあまり痛みを感じないことがあります。
- ・生えてきたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
- 永久歯は、萌出後数年かけて唾液中のミネラル分などを吸収しながら徐々に歯質を強化していきます。そのため、生えてきたばかりの永久歯は、成人の永久歯に比べ弱く虫歯になりやすい状態です。(幼若永久歯と呼ばれます。)
基本的な治療
- ・コンポジットレジン修復
- 小さな虫歯であれば、ほとんどの場合コンポジットレジン修復が可能です。コンポジットレジンとは、白い樹脂(プラスチック)で、虫歯を削り取った部分にこれを埋め込みます。多くの場合が1回の来院で治療が完了します。虫歯の大きさによっては麻酔の注射を使用します。
- ・インレー、アンレー
- 虫歯が大きくなってしまうと、インレー、アンレーなどと呼ばれる、金属の詰め物をする治療が必要になります。1回目の治療で虫歯の個所を削り、歯型を取ります。2回目の治療で型に合わせて作った金属の詰め物を装着します。虫歯が神経に近い場合は、1回目に虫歯を削り取り、1週間ほど様子を見てから型を取ることもあります。そのため、通常2~3回の来院が必要になります。
- ・生活歯髄切断法
- 虫歯が神経まで達しているが、その範囲が歯冠部分にとどまっている場合、乳歯、幼弱永久歯の場合は良好な予後が期待できるため、歯の神経を一部だけ取り除く治療法です。子供の歯の場合、歯根がまだ完成していないこともあるため、神経をすべて取らずに残すことで、歯根の成長を止めずに済むことがあります。生活歯髄切断後は、コンポジットレジンや、インレー、アンレーでの歯冠部の修復を行います。治療には2~3回の来院が必要になることが多いです。
- ・抜髄
- 虫歯が神経まで達してしまい、生活歯髄切断法が適応できない場合は、抜髄、神経を取る処置を行います。麻酔をして神経を取り、神経が通っていた管を殺菌消毒します。ここまでの治療は大人の抜髄治療とほとんど同じですが、乳歯の場合は、最後に水酸化カルシウムが含まれた充填剤で神経の管を封鎖します。この充填剤は溶けていくため、永久歯との生え替わりの際に乳歯の歯根吸収を妨げません。(大人の場合は、はじめから溶けない充填剤で根管封鎖を行います。) その後は、コンポジットレジン、インレー、アンレーでの修復、歯がほとんどなくなってしまっている場合は、土台を立ててその上に被せものをする治療を行います。(フルクラウン修復)治療回数は3回以上かかることがほとんどです。
早期発見、早期治療
子供の虫歯は大変進行が速いものです。また、何度も麻酔をしたり治療を行うのはお子様にとっても負担であり、歯科嫌いの原因になってしまうこともあります。
お子様に虫歯が見つかったら早めに歯科医院を受診しましょう。
また、日頃から定期健診などで、虫歯を早期に発見できるようにすることも大切です。