歯科における、子供の歯ぎしりについての注意点
歯ぎしりというのはぎゅっと歯を食いしばったり、上下の歯をギリギリと擦り合わせたりすることを言います。
眠っている時に行うこともあれば、日常生活の上で重い物を持った時や、悔しさの余り行うこともあります。いずれにしても無意識の行いです。専門用語ではブラキシズムと呼ばれています。歯ぎしりは大人がすることも多いですが、今回は子供の歯ぎしりについて、その原因や治し方についてお話したいと思います。
子供の歯ぎしりの原因
自分の子供の歯ぎしりの音が大きくて驚いた経験を持つお母さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
子供の歯ぎしりは、歯が生えたばかりの赤ちゃんの頃から始まります。子供の歯ぎしりの原因は成長過程によるものが多く、心配の要らないものが実は大半です。
十歳以下の子供は三人に一人の割合で歯ぎしりをしていて、歯ぎしりにより乳歯を摩耗させることで同時に永久歯の生えてくる位置を確定させているからです。上顎を鍛える為とも考えられています。とは言え、乳歯から永久歯への生え変わりの時期が過ぎても尚、歯ぎしりをしている子供を放っておいてはいけません。
生え変わりの時期を過ぎても歯ぎしりが治らない原因として考えられるのは、噛み合わせが悪いなどの歯並びに問題が生じている場合や、ストレスによるもの、癖である可能性も考えられます。
子供が歯ぎしりすることに対しての悪影響
それでは、次に歯ぎしりが子供に及ぼす三つの悪影響について見ていきましょう。
一つ目は歯へのダメージです。歯ぎしりにより歯が擦り減ってしまうことで歯が沁みる知覚過敏を起こしやすくなること、そしてついには歯の中にある神経にまで影響が出ることもあります。
そして二つ目は顎へのダメージです。歯ぎしりは無意識に行われますので、顎や周囲の筋肉への影響が大きくなって、顎関節症という病気を引き起こします。顎関節症になると、顎が痛くなったり、口が開けにくくなったりします。
最後の三つ目は自律神経へのダメージです。睡眠中に無意識に行うことが多い歯ぎしりは、良質な睡眠を阻害します。きちんと睡眠が取れないと、自律神経にまで多大な影響を与えてしまうのです。
子供の歯ぎしりの治し方
いずれにしても、早い内に専門家に一度相談されるのが良いでしょう。
ただしストレスはその原因を取り除いてあげることが最優先事項ですので、家庭でのケアが必要です。子供が抱えているストレスが何であるのかを理解してあげましょう。
歯ぎしりが癖である場合は、歯科医院でマウスピースを作ってもらうことで歯ぎしりを治すことができます。噛み合わせが悪いなどの歯並びに問題が生じている場合は矯正治療の必要性も出てきます。
矯正治療を受けるとなると大変だと思われるかもしれませんが、子供の頃に受ける矯正治療にはメリットもあります。子供の顎は成長していますので、歯を抜くことなく矯正治療を行うことができますし、子供の顎は柔らかいので、顎に埋まっている歯の反応も大人に比べると格段に良いです。
まとめ
このように歯ぎしりは子供の身体に様々な影響を及ぼす危険を孕んでいます。
歯の生え変わりの時期を過ぎても尚、歯ぎしりをしている子供をお持ちの方がいらっしゃったら、たかが歯ぎしりなどと思わず、速やかに専門医を受診されることをおすすめします。