矯正歯科で使用する器具について
矯正歯科で行う治療はもちろん歯並びや噛み合わせを矯正することですが、歯並びや噛み合わせは人によって違いますので、矯正治療を必要とする患者さんそれぞれに合った治療法があります。目的や予算によっても異なりますし、患者さんの年齢によっても変わります。
あらゆる患者さんのニーズに応えられるように、矯正装置として使用する器具には様々なタイプのものが用意されています。一番オーソドックスなのはブラケットと呼ばれる小さなボタン様のものをワイヤーで繋いで歯に接着するマルチブラケット方式の矯正装置です。他にはワイヤーを使わないタイプのものや、歯の裏側に取りつける矯正装置もあります。
それぞれに特徴があって、メリットやデメリットが異なりますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
器具の種類と特徴
まず矯正歯科で使用する器具には六つのタイプがあります。一つ目はメタルブラケットです。メタル製のブラケットを表側の歯に取りつけますので、口を開けると銀色がよく目立ちます。矯正治療と聞くと多くの方がこのタイプを想像されるのではないでしょうか。
二つ目は審美ブラケットです。ブラケットにはプラスチック製とセラミック製があります。メタル製のものよりは目立ちませんが、装置そのものは歯の表側に取りつけますので、人から見て全く分からないという訳にはいきません。
三つ目はセルフライゲーションブラケットと呼ばれる従来のものよりワイヤーとブラケットの摩擦力を弱めた設計になっている矯正装置です。この装置にも金属製と審美性のものがあります。
四つ目はブラケットを歯の裏側に取りつけるリンガルブラケットで、表側からは全く見えません。(上の歯に裏から下の歯に審美ブラケットを付けるハーフリンガルという場合もあります)
五つ目がマウスピース型の矯正装置です。マウスピース型のものは取り外しが可能で、透明度が高くて薄いマウスピースを使用しますので、苦痛が少なく目立ちません。
それぞれのメリットとデメリット
メタルブラケットを使用する際のメリットは壊れにくく、様々な症例に対応することが可能で、他の装置に比べると費用もリーズナブルに済みます。
デメリットは、どうしても人から目立つのは避けられないということです。審美ブラケットは歯に似た色合いの為、目立ちにくいというメリットと、非金属製の為、金属アレルギーのある方にも装着可能ということです。
メタル製に比べると多少強度が弱く、一般的に費用も少し高くなるのがデメリットです。
セルフライゲーションブラケットは清掃性が比較的良く、摩擦力が弱い為、痛みが少なく効率よく治療できるというメリットがありますが、費用がより高くかかってしまうというのがデメリットです。リンガルブラケットは歯の裏側に装置を取りつけますので、外からは全く見えないというメリットがある半面、舌に当たりやすくて喋りにくい、食事がしづらいというデメリットがあります。
そして特殊な装置の為、歯科医師の熟練の技術が必要で、その分費用も高額になります。そしてマウスピース型の矯正装置のメリットは目立たないということと取り外しができるということ、ワイヤーを使用しないので不快感が少ないというメリットがあります。
デメリットは自分で取り外しがきく分自由度はあるのですが、1日16時間以上と1日のうち自分の意志で大半を装着するというある意味自分自身の手間があること、マルチブラケット方式に比べて、対応可能な症例が限られてくるということです。
まとめ
このように矯正歯科で使用する、器具には様々な種類があって、それぞれメリットとデメリットがあります。これからご自分やお子さんの為に矯正治療を考えていらっしゃる方は、まず専門の歯科医院で納得がいくまで相談されることをオススメします。
予算や目的に合った矯正装置を選び、なるべく無理のない範囲で治療を開始してもらうことが美しい歯並びを手に入れる為の第一歩ではないでしょうか。
当院では、審美ブラケット(セラミック)が標準となり希望される方はリンガルブラケット、マウスピース型にての治療をリーズナブルな費用にて行っております。