矯正歯科で行われるマウスピース矯正について
最近、矯正歯科でマウスピース矯正という言葉をよく聞きます。一昔前までは、矯正治療と言えば、口を開ければ銀色の矯正装置がぎらぎらしているものが主流でしたが、最近は審美性に優れた矯正装置が増えてきました。中でもマウスピース矯正はワイヤーやブラケットを用いず、透明なマウスピースを使用しますので、最も目立たない矯正装置として近年注目を集めています。今回は、そのマウスピース矯正について詳しくお話していきたいと思います。
マウスピース矯正の特徴
マウスピース矯正は患者さんの歯並びに合わせた透明なマウスピース(「アライナー」と言います)を一日二十時間以上装着して、徐々に歯を移動させていく新しい矯正の治療方法です。マウスピースは約二週間ごとに新しいものと取り替えます。マウスピース矯正にも種類があって、マウスピースを提供している会社や研究所によって異なります。一般的にはアメリカ発祥のインビザラインと日本生まれのアソアライナーがあります。
マウスピース矯正のメリットとデメリット
マウスピース矯正のメリットは何といっても矯正装置が最も目立たないことでしょう。外から見て、矯正治療をしていることがほとんど分かりません。そしてマウスピースは取り外し式なので、歯磨きの際は取り外して歯とマウスピースを別々に磨くことができます。お口の中の清掃がしやすく、清潔を保てるということは矯正治療の際の虫歯や歯周病のリスクが減りますので、このことも大きなメリットです。デメリットは、幾ら取り外しができると言っても、ほとんど一日中マウスピースを装着しておく必要があるのは他の矯正装置と同じですが、逆に自分で取り外しができる為、装着をさぼることがあるということです。装着をさぼった分は当然治療期間も伸びます。更にマウスピース矯正は歯を抜かずに済むような比較的軽い症例にしか使用できないというのは、大きなデメリットでしょう。
マウスピース矯正はどのような人に向いているのか?
上記のデメリットでもあげましたように、マウスピース矯正は比較的簡単な症例の矯正に向いています。通常のワイヤーを使用する矯正装置と併用して行うこともありますが、その場合はワイヤー矯正の仕上げにマウスピースを使います。しかし、日々矯正治療は進化していきます。歯を抜くことが必要な難しい症例の場合でもマウスピース矯正に対応できる医院もありますので、審美性を重視される方、マウスピース矯正に興味のある方は一度専門医に相談してみて下さい。
マウスピース矯正に掛かる費用は?
最後に肝心の費用についても触れておきましょう。これもデメリットの一つになりますが、他の矯正治療に比べると高めです。矯正治療は原則自費診療となりますので、歯科医院によって異なりますが、30~80万ぐらいでしょうか。費用に関しては最初の相談時にしっかりと聞いておくのが良いと思います。
まとめ
このようにマウスピース矯正は新しい治療法ですので、日々進歩の度合いも大きいです。見た目の悪さから矯正治療を断念された方にはお勧めの治療法ですので、今一度考えてみられて、専門の歯科医院で相談されては如何でしょうか。