歯科で行うプレート矯正について
歯科矯正と言えば、歯の前面に小さな金属の板(メタルブラケットと言います)を貼り付けてワイヤーで繋ぐ方式が一般的です。取り外しができない為、患者さんには苦痛も伴いますし、何より人から見えて目立つのが一番の欠点です。今日では矯正治療の進歩により、矯正装置の種類が増え、患者さんへの負担が少ないものや審美的に優れたものも多くなってきました。今回はその中でもプレートを使った矯正治療について、お話したいと思います。
プレート矯正とはどのようなものか
プレート矯正…床矯正とも言います。これは歯を抜かずに歯列弓(前歯の先端から奥歯の外側にかけての曲線)を広げて歯並びを整える矯正治療のことです。まず矯正装置には取り外しのできる可撤式のものと取り外しのできない固定式のものがあります。プレート矯正は取り外しのできる矯正装置の一つで、ドイツで誕生しました。先に書いたメタルブラケットとワイヤーを使用する矯正装置は取り外しのできない固定式の矯正装置でアメリカで生まれたものです。プレート矯正装置は口の裏側に当てるプレートと表側の歯を抑えるワイヤーで構成されていて、入れ歯のような形をしています。プレートにバネやネジを埋め込むことで歯を動かすことができるのです。可撤式ですので、歯磨きの際は取り外して洗浄することも可能です。しかし自分で取り外しができると、つい取り外してしまうことが多くなって思うような効果が得られないという不具合も生じます。一般的に1日に12時間以上の装着が推奨されています。
プレートそのものはどのようなものか
口の裏側に当てるプレートそのものはレジンと呼ばれるプラスチックでできています。上あごの粘膜に貼り付く形になりますので、慣れるまでは異物感を感じることも多いです。プラスチックプレートの中に歯を押し出す力を調整するネジが入っているアクティブプレート、上あごの粘膜に接触する部分を平坦に盛り上げたバイトプレート(咬合挙上板)、奥歯から前歯に向かって下がる傾斜が付いているジャンピングプレート(咬合斜面板)の3種類があります。
プレート矯正を利用するのはどのような場合か
プレート矯正を利用する患者さんは主に乳歯期の子供さん、もしくは乳歯と永久歯が混じった混合歯列期の子供さんが多いです。永久歯列の矯正では補助的な矯正装置として使用することもあります。アクティブプレートは歯が凸凹に生えている場合の矯正や歯が1~2本内側に生えている場合の矯正に使用します。プレートの中に歯を押し出す力を調整するネジが入っていますので、内側に生えている歯を押し出す際の矯正装置として優れているのです。バイトプレートは混合歯列期で噛み合わせが深くなっている患者さんの噛み合わせを高くする場合に使用します。盛り上がったプレートによって、奥歯を突出させ、前歯を顎の骨の中に押し込むようにするのです。そうすることで、深くなりすぎている噛み合わせを正常な位置まで戻します。ジャンピングプレートは噛み合わせが深い場合や、上あごが前に突き出ている場合に使用します。傾斜が付いたプレートにより、噛み合わせた際、下あごが自然に前方へと誘導される仕組みになっていて、下あごの位置を矯正することが可能になるのです。
まとめ
プレート矯正がどのようなものか、お分かりいただけたでしょうか？プレート矯正に適応する症例は色々あります。まずは専門の歯科医院で相談してみて下さい。健康的で美しい歯並びは、これからの人生を明るくします。ぜひご自分や子供さんに合った矯正治療を選んで、明るく輝く未来を手に入れて下さい。
