歯科矯正で使用するワックスについて
歯科矯正で使用する器具や材料には様々なものがあります。大きなものとしてはブラケットやワイヤーやマウスピースなどの矯正装置ですが、矯正装置を助ける為の補助的な器具や材料も色々あります。今回は中でも痛みの緩和や矯正装置が壊れた際に応急的な修理に使用する矯正用ワックスについてお話したいと思います。
矯正用ワックスとはどのようなものか?
矯正治療に使用するワックスは色々なメーカーから発売されています。色も様々ありますが、ちぎって使うタイプのものや、時間が経つと固まるシリコン製のものなど多種多様です。値段にも幅があって、100円から1000円ぐらいまで、商品によってかなり違います。矯正治療を行っている歯科医院の多くで取り扱っています。
矯正用ワックスはどのような時に使用するのか?
矯正用ワックスは矯正装置が頬や舌や歯ぐきなど口の中の柔らかい部分に当たって痛い時に、装置の上に付けてカバーする為に使用します。特に矯正装置を装着した最初の頃は慣れるまで装置の異物感が大きく痛みを感じることが多い為、ワックスが必要になります。装置に慣れた後も、治療が進むとワイヤーが折れたり、フックが当たったりする可能性がありますので、その場合もワックスでカバーする必要があります。特に矯正治療は長い期間が掛かりますので、次の診察日まで日にちが空くことも多く、歯科医院が遠方にあって、すぐに歯科医院に行けない場合も出てくるかもしれません。その場合は自身で応急処置をする必要があります。
矯正用ワックスの使い方
まずワックスに汚れが付かないように手を洗って下さい。そして水でうがいをして、口の中を綺麗にします。次に、ワックスを小豆ほどの大きさにちぎって取り出します。それを人差し指と中指で丸めます。手か冷たい場合は擦って温めてから柔らかくして下さい。丸めたワックスを痛みのある箇所や修理する必要のある個所の装置の上に置きます。それからワックスを押し付けて装置をカバーします。万が一ワックスが剥がれて食べてしまっても無害ですので、安心して下さい。ワックスが剥がれた場合は新しいワックスに取り換えて下さい。
自分で選んで勝手に買って良いものか?
ワックスが手元になくて、緊急の場合は仕方ありませんが、やはり前もって担当医に相談して使い方を教えてもらう方が良いと思います。矯正歯科医院でしたら、大抵のところで矯正用ワックスは取り扱っていますので、治療を受けている歯科医院で前もって購入して準備しておくと安心です。
まとめ
矯正治療には長い期間が掛かります。その間には色々な問題が起こることもあるでしょう。しかし矯正治療は日々進歩し、より苦痛の少ない、仕上がりの美しいものに進化していきます。ワックスなどの補助的な材料を有効に活用して、健康的で美しい歯並びを手に入れて下さい。