虫歯の原因は甘いもの?
「甘いものを食べると虫歯になる」そんな風に、小さな頃から言われてきた人も多いのではないでしょうか。確かに甘いものは虫歯の主原因のひとつです。しかし、それだけで虫歯になるわけではありません。いくつかの原因が重なった時に虫歯になるのです。
虫歯の原因とは?
虫歯の原因は様々です。原因の一例としては「甘いもの」「虫歯菌」「歯の質・歯の形状」があげられます。その他、「唾液の質(性状)」「粘膜の付着位置や形態・お口の中の解剖学的要因」などがあげられます。それらに「時間の経過」という要因が加わり虫歯が発生します。
ここでは、「甘いもの」「虫歯菌」「歯の質・形状」について詳しく取り上げていきたいと思います。
甘いもの
糖質は、虫歯菌の栄養源になります。虫歯菌は糖を栄養に繁殖し、プラーク(歯垢)を形成し、酸を出して歯を溶かします。
虫歯菌
虫歯菌の中でも特にミュータンス菌が、虫歯の原因になります。誰でも口の中に存在している口腔内常在菌です。生まれたばかりの赤ちゃんには存在しないのですが、次第に周囲の人から感染します。お口の中にいるだけでは悪さはしないので、歯に付着したままにならないよう、丁寧に歯みがきをする事が大切です。
「虫歯菌」については、お口の中の「細菌層の分布」は人によって違います。それにより“虫歯のなりやすさ”が異なります。虫歯菌が多く常在している人は虫歯になりやすいですが、虫歯菌以外の他の細菌が広く分布しており、虫歯菌が少ない人も居ます。
歯の質・歯の形状
肌の質と同じように、歯の質も人それぞれ違います。歯の質によって「酸」への溶けやすさが違います。例えば、永久歯よりも乳歯の方が、歯の質が弱く虫歯になりやすくなりますし、生えたばかりの歯は、歯の表面がまだ未熟なため、虫歯になりやすくなります。
また、歯の形状や歯並びによっても、虫歯リスクは高まります。歯並びや噛み合わせの状態によっては、汚れが溜まりやすいので、注意が必要です。
甘いものと時間の関係
甘いものは、虫歯の原因のひとつですが、「甘いもの」と「時間」の関係が、虫歯に深く関わりがあります。通常、お口の中は、ほぼ中性を保っています。しかし、甘いものを食べた後は、酸性に傾くようになります。これが、30分から40分かけて元の中性に戻るのですが、ダラダラと甘いものを食べているようだと、お口の中が酸性に傾く時間が長くなります。ダラダラと間食をしたり、アメやガム、ジュースなどを常に口にしているのは危険です。
虫歯の原因になる甘いものとは
ひとくちに「甘いもの」と言っても、全ての「甘いもの」が虫歯の原因になるわけではありません。最も虫歯になりやすいのは「砂糖(ショ糖)」です。次いで、果物に含まれる「果糖」や、「ブドウ糖」「水あめ」「麦芽糖」も虫歯の原因になります。
反対に、甘味成分でも「キシリトール」「ステビア」など虫歯にならないものもあります。特に「キシリトール」は、虫歯の原因にならないだけでなく、虫歯菌の力を弱めるなど、虫歯予防効果も期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「甘いもの」は虫歯の原因のあくまでひとつに過ぎません。なかには、「甘いもの」をたくさん食べていても、虫歯にならない人も居ます。一日のうちにどれだけの時間、歯に細菌が酸に分解できる物質があるかという時間軸が共通した大きな要因だと考えています。この要因は修飾因子として無視はできません。
規則正しい食生活・間食の摂り方を見直して、虫歯になりにくい口腔内環境を作っていきましょう。