虫歯って、どんな 痛み?
虫歯は細菌の作り出す酸によって歯が溶ける病気です。日本では食生活の変化とともに多くの人が罹る、とても身近な病気となっています。とは言え、最近では予防意識の高まりにより、虫歯の急増しやすい12歳までの罹患率が減ってきています。中には虫歯の痛みを全く経験したことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそういう方の為に、虫歯の痛みについて詳しくお話したいと思います。
虫歯の原因
虫歯は、唾液の中にいるある細菌とその細菌が糖分解できる物の歯への付着、歯質、虫歯になりやすい環境といういくつかの要因が重なって発生する病気です。食後、食べかすと口の中の細菌が結びついて膜を持った歯垢というものを作り、虫歯の最大の原因となります。歯垢内の糖が細菌により分解され、酸を作り出し、その酸が歯の表面のエナメル質を溶かし始めるのです。これが初期の虫歯の始まりです。唾液の中には常に細菌がいて、特定の細菌自体を減らすことは難しく、食生活の工夫や歯質の強化、環境の改善が虫歯予防に必要だと考えられています。
虫歯の痛み
虫歯は進行具合によって、CO、C1、C2、C3、C4の五段階に分かれています。COは歯の表面のエナメル質が少し溶け始めた初期の虫歯です。表面の白濁や色素沈着はあっても、まだ穴は開いていなくて、痛みも全くありません。C1はエナメル質に限定された虫歯です。表面がざらざらしているのを感じることや、歯科用の検針で突くと小さい穴を認めることもありますが、痛みはまだほとんどありません。C2はエナメル質の下の象牙質まで虫歯が進んだ状態です。冷たい物を食べた時に歯がしみたり、硬いものを咬んだ時に痛みを感じたりします。C3は歯の神経である歯髄にまで虫歯が達した状態です。ここまで進むと、様々な痛みが出てきます。冷たい物や熱い物がしみるのはもちろん、歯髄炎を起こすと夜眠れないぐらいの激しい痛みを起こします。神経を抜く治療が必要です。歯髄炎が更に進んで、病巣が根の先にまで及ぶと根の先に膿が溜まります。歯ぐきが腫れたり、上下の歯を噛み合わせるとかなりの痛みを感じたりします。C4は歯ぐきの上に見えている部分の歯が全て崩壊し、歯ぐきに埋まっている根の部分だけになった状態です。神経が完全に死んでおり、痛みを感じることは少なくなります。しかし、C4の歯は抜かなければいけない確率が高くなります。
まとめ
このように、虫歯の痛みはないからと言って安心できるものではなく、痛みのない内に治療を開始することが大切です。虫歯を疑わせる症状があったら、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。これからの長い人生、いつまでも自分の歯で咬んでいく為にもぜひかかりつけの歯科医院を見つけて、何でも気軽に相談できる環境を作りましょう。