矯正歯科の先生には「認定医」や「専門医」という公認資格
矯正歯科の先生には「認定医」や「専門医」という公認資格があると聞いたのですが、それぞれどのようなものでしょうか?
現在、日本の法律では歯科医師の資格を持っていれば、一般歯科はもちろん、小児歯科、口腔外科、矯正歯科と、どの専門を標榜して治療してもかまわない事になっています。
しかし、これでは診療科目を見ただけではどの程度の技量を持った先生が治療に当たっているのか、一般の人にはわからないのが実情でした。
その上、矯正歯科は専門性が非常に高く、知識・経験も豊富であることが必要とされるため、日本矯正歯科学会が矯正歯科治療に関して適切かつ十分な学識と経験を有する歯科医師を公認する資格を創設しました。この資格の中に「認定医」「専門医」があります。
2012年3月現在で矯正治療を行っている歯科医師は約20.000人おり、そのうち日本矯正歯科学会会員が6377人、さらにその中の認定医は2659人、専門医は294人となっています。歯科医師全体に占める認定医の割合は約13%、専門医は約1.4%と希少な存在です。
それでは「認定医」「専門医」の条件とはどのようなものでしょうか?
【認定医】
日本矯正歯科学会認定医になるには、
・5年以上日本矯正歯科学会の会員であること
・2年以上大学の矯正歯科で研修医をした後、学会指導医の下でさらに3年以上矯正歯科に専門的に従事すること
・学会誌にオリジナルの論文を発表すること
・学会の定める試験に合格すること
が最低条件となります。これらの条件をすべて満たせば学会認定医として認定医証が交付され、公式に矯正認定医として活動することができるようになります。
【専門医】
日本矯正歯科学会専門医になるには、
・日本矯正歯科学会に12年以上所属していること
・認定医資格を取得後10年以上経過し、2回以上更新試験に合格していること
・最近10年以内に矯正臨床に関する論文、著書または学会発表があること
・学会の指定した10種類の治療例を提示して最低基準をクリアすること
・口答試問に合格すること(審査の公平性を保つため、受験者と審査委員の名前は一切公表されずに行われます)
・専門医試験に提出する症例は全て、試験に使用することを患者様ご自身あるいは保護者の方にご説明し、同意書をいただくことが義務付けられ、患者様や保護者の方との良好な信頼関係が保たれていることを証明する必要もあります。
これらの条件を満たし、試験に合格すると学会専門医として専門医証が交付されます。
いかがでしたか?
矯正歯科の「認定医」「専門医」の制度は、どちらも日本のその他の専門医制度に比べてもその基準が厳しく、合格するには高い技術と経験が要求されています。
認定医資格は1990年に制定され、専門医は2006年に新設された資格です。
専門医制度が発足する以前から専門医の資格基準を満たす認定医の先生方はおられましたが、専門医資格取得後も5年ごとに症例を提出して更新し続ける必要があり、日々の診療に加えての試験準備の負担が大きく、取得を控えておられる先生方も少なくありません。
このため、認定医に比べて専門医の先生の数が極端に少なくなっているのが現状です。
当院院長は1995年に認定医資格を取得しております。
また専門医の資格に必要とされる10症例を全てクリアしており、治療経験・治療実績共に専門医レベルの質の高い治療をご提供させていただいております。