矯正歯科の「指導医」という資格はどのような資格ですか?
「指導医」とは、日本矯正歯科学会の公認資格の「認定医」「指導医」「専門医」の中の一つの資格です。「認定医」「専門医」に比べて、一般の患者様にはなじみのない資格かもしれません。
それでは「指導医」とはどのような資格なのでしょうか?
日本では矯正歯科の教育は戦前から行われていたのですが、現在広く一般に知られる形の医療として普及するようになったのは、戦後のことでした。
戦後の経済発展に伴い矯正歯科の需要が高まると、「自称」矯正歯科専門医が多く現れ、矯正歯科治療の質に対して良識ある専門医間で危惧される状況になってきました。
そこで、日本矯正歯科学会が、矯正歯科医の技術と経験を認定して資格証を発行することとし、これを基に広く国民に適切な矯正歯科治療を行う医療機関を選ぶ基準を設けたのが、専門認定制度です。
この専門認定制度には、技術と経験の程度によって「認定医」「指導医」「専門医」の3種類の資格があります。
「指導医」とは、矯正専門医を目指す研修医を指導監督する特別の教官資格として、日本矯正歯科学会が設定した資格となります。
日本矯正歯科学会指導医になるためには、
・13年以上日本矯正歯科学会会員であること
・日本矯正歯科学会認定医を取得してから、大学の矯正歯科において教育指導歴が3年以上あること
・学会の定める試験に合格すること
が必要となります。
このため、「指導医」とは、大学にある程度の期間在籍して教育と研究歴を積んだ上で取得できる資格と言えます。
そして、教育や研究歴に優れ、矯正歯科の学識において優れたものを持っておられる先生であると言えます。
指導医は教育と研究歴を重視しているので、必ずしも治療実績を反映した資格ではありません。
現在開業されている認定医の先生の中でも大学に一定期間在籍して研鑽を積まれた先生であれば、指導医の条件を満たしておられる先生がおられます。
当院院長も大学の矯正歯科医局に10年以上在籍し、数々の指導経験・論文発表があり、指導医に求められる条件も満たしております。
また、学会の学術委員も務めさせていただき、豊富な研究実績と治療経験を基に患者様の診療にあたらせていただいております。