歯周病の治療方法
成人の80%以上は歯周病にかかっているといわれています。
では、歯周病になってしまったら、どんな治療が必要になってくるのでしょうか。
歯周病治療の流れをご説明していきます。
歯周病の基本治療
- STEP1 レントゲン撮影、歯周ポケット検査
- まずは、検査を行います。
レントゲン撮影では、歯槽骨の状態を確認し、歯周病の進行具合を調べます。
歯周ポケット検査とは、歯と歯茎の隙間を測定し、どの部分で歯周ポケットが深くなっているか(=歯周病が進行しているか)、歯茎の炎症の具合、歯茎の中の歯石(縁下歯石)の有無を知ることのできる検査です。 - STEP2 歯石の除去、クリーニング
- 歯石の除去、クリーニングで、歯周病菌の住みかとなっているプラーク、バイオフィルムの除去をします。歯肉炎や、初期の歯周病であればここまでで症状が改善することもあります。
- STEP3 縁下歯石の除去
- 歯周病が進行していると歯周ポケット内、歯根部分に歯石が付着していることがあります。これは縁下歯石と言い、歯石自体からも毒素を出し、歯周病を進行させます。必要に応じて歯茎に麻酔をして縁下歯石の除去を行います。
- STEP4 再検査
- 縁下歯石を除去後、数週間歯茎の回復を待って再度歯周ポケット測定検査を行います。
症状が改善しているようであればここで治療は終了し、定期メンテナンスに移行します。
歯周外科治療
歯周病が進行していると、基本の治療だけでは状態が改善しないことがあります。
その際には、歯周外科処置が必要となります。歯周外科処置の代表的なものをご説明します。
- ・歯肉剥離掻爬術(FOP)
- 歯肉をはがし、直接目視ができる状態で歯根の縁下歯石を除去します。必要に応じて感染している歯肉を除去することもあります。
- ・エムドゲイン法
- 歯周組織再生療法の一つです。歯茎をはがした部分に、エムドゲインジェルと言う、歯の成長に関与するたんぱく質を投与します。エムドゲインジェルの作用により、歯周組織の再生を促し、破壊された歯周組織を再生します。
- ・GTR法
- 歯周組織再生療法の一つです。歯茎をはがした部分にメンブレンという人工膜を置き、歯周組織が正常に再生するように促す治療法です。メンブレンの除去が必要になるため、手術に回数がかかりますが、比較的進行した歯周病に対しても、歯周組織の再生が期待できる治療法です。
治療後も定期的なメンテナンスが必要
歯周病の治療についてお分かりいただけましたか?
歯周病の治療には、歯周病の原因菌である、歯周病菌を除去することが必要です。その後、必要に応じて歯周組織の再生を行います。
歯周病は治療を終えた後も、再発を防ぐために、定期的なメンテナンスが必要です。
自宅でのセルフケアとともに、最低でも3ヶ月に一度は歯科医院でのクリーニングを受けるようにしてください。